五輪野球チームの長嶋監督が、病気療養の為にアテネに帯同しないことが決まった。私は野球にはあまり興味はないが、それでも残念ではある。
しかし、たとえアテネで指揮を取れなくても、長嶋監督は全日本野球チームに既に十分な貢献をしたのではないだろうか。
過去の遺恨から、日本のプロ野球界とアマ野球界には溝があり、その結果、プロ野球界はオリンピックに非協力的だった。しかし今回は、ペナントレース中にもかかわらず、日本の一流プロが揃って出場する。これは楽しみだ。オリンピックはこうでなくちゃいけない。
しかし、長嶋が監督でなければきっとこうはならなかったろう。
確かに、プロ野球オーナー側から言えば、何千万円も何億円も出して雇っている選手を、ペナントレース中に1ヶ月もオリンピックに持っていかれるのはしんどいだろう。しかも、チームを抜けている間も給料はチームが払わなければならないのだから理不尽な話ではある。
全日本チーム側としても、そこを突かれるとなかなかムリにも五輪チームにとは言えないのも判る。
だからこそ長嶋である。何しろ長嶋はプロ野球界の至宝。長嶋が監督をするのに協力をしないわけにはいかないではないか。もし選手を出さず、それでメダルを逃すようなことがあれば、悪者になるのはプロ野球側だ。
今回、長嶋監督はアテネには行かないが、長嶋にしかできないことをやってのけた。
2004.08.05. たきざわ勝彦
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